創立50周年を祝して

北海道上川支庁 経済部長 山口 俊明

 


 社団法人北海道林産技術普及協会が創立50周年を迎えることを心からお喜び申し上げます。また、貴協会の活動が、本道木材産業に与えた大きな功績に対し、深く敬意を表します。

 本道の林業界や木材産業界にとって、安価な輸入材や他の資材に対抗して、厳しい国際競争に打ち勝っていくためには、ほかにはない優れた技術が欠かせません。貴協会は、このために、試験研究機関と木材産業界のパイプ役として、技術面から支援してきました。会員に対する情報提供、各種講習会、講演会のほか、国、道、民間企業や団体からの調査・研究の受託など木材産業界の技術向上のための活動に加え、一般道民を対象としたイベントを行政とも共催するなど、時とともに活動を強化し、非常に幅広いものとなっています。

 今、社会は、身の回りのものが充足され、物質的な欲求から精神的な欲求を重視するようになってきています。国民は、温室効果ガスに由来する地球温暖化や有害物質などによる環境汚染など健康や環境に関することに非常に大きな関心を持ちつつあります。

 木材は、太陽エネルギーに由来する再生産可能な優れたバイオマス資源であり、木材を賢く利用することは、これから一層求められていくことです。木材産業界は、これらの要請に応え、より良い物を、環境を損なわない形で作りだしていく循環利用型の産業として存在していかなければなりません。今後、このための技術向上はこれからますます重要となり、貴協会の役割や貴協会に対する期待はより大きなものになるでしょう。

 現在、本道の林業や木材産業は厳しい国際競争のもとで非常に厳しい状況に置かれていますが、優れた技術により、必ずやこれから求められる社会に貢献していくことができると確信しています。今後とも、会員の皆様方のますますのご活躍により貴協会の活動が活発になり、さらには、本道木材産業界がますます発展されますことをお祈り申し上げ、お祝いの言葉といたします。