創立50周年を迎えられて

北海道森林管理局 旭川分局 分局長 高 澤 修

 創立50周年を迎えられた北海道林産技術普及協会の皆様に心からお祝い申し上げます。

 貴協会におかれてましては、長年に亘り木材加工技術の研究と普及に努められ、北海道内はもとより全国の林産業界の発展に多大な貢献をされていることに深く敬意を表します。

 また、皆様方には常日頃から国有林野事業の業務運営につきまして、深いご理解と多大なご協力を頂いておりますことに対して、厚くお礼申し上げます。

  さて、21世紀は地球規模で真っ正面から環境問題に取り組むことが重要となっています。特に、1997年の京都議定書締結にみられるとおり、地球温暖化防止に果たす森林の役割は国際的に極めて重要なものと認識されています。

 同時に、森林の営みで二酸化炭素が固定された木材の利用についても、たとえば木造住宅は炭素を貯蔵固定する「街の中の森林」として地球環境保全に貢献していることなど、その意義が浸透しつつあります。

 このような中、政府が2002年4月に決定した地球温暖化対策大綱を踏まえ、林野庁は「地球温暖化防止森林吸収源10カ年対策」を策定し、@健全な森林の整備、A保安林等の適切な管理・保全等の推進、B木材・木質バイオマス利用の推進、C国民参加の森林づくり等の推進の目標を掲げ、2003年以降各種施策を推進することとしています。

  このうち、「木材・木質バイオマス利用の推進」に関しては、木材利用に関する国民への普及啓発、木材産業の構造改革等を通じた住宅や公共部門等への木材利用の拡大、木質資源利用の多角化を進めることを目指すこととしています。

 また、健全な森林の整備を進める上では、現在、間伐の推進が大きな課題となっていますが、国内の木質資源の利用を推進することは、間伐をはじめとする森林の整備はもとより、森林資源の循環利用拡大を図る上でもきわめて重要であります。これまでも政府の「木材利用推進関係省庁連絡会議」の開催など各般の取組が進められてきていますが、2002年にはいわゆるグリーン購入法が定められ、間伐材等の利用をさらに積極的に進めることとなっています。

 旭川分局といたしましても「木材利用推進プロジェクトチーム」を結成して、公共事業への木材利用及び間伐材の利用促進を重点課題とし、取り組みを進めているところであります。お陰様で、平成13年度における治山・林道等の公共事業等への間伐材利用は5,309m3となり、今後とも、積極的に利用促進を図るとともに、関係機関等へも働きかけていくこととしています。

 旭川には、近代的な研究施設の整備された北海道立林産試験場があり、北海道の主要樹種についての製品開発、技術の企業化促進など積極的に取り組まれており、これまでも数多くの成果を得られていることは、誠に心強いものがあります。これからも、間伐材等の利用促進に向けて、安全性・耐久性そして他の資材との整合性等の試験・研究を進められるなど、一層の木材の需要開発、加工技術の向上・定着に向けた試験・研究が推進されることを期待しております。

 私共も、貴協会をはじめ、林産試験場や日本木材加工技術協会とも連携をさらに深めさせていただき、道北地域における林産技術の開発・普及を基礎とした林業・林産業の発展に寄与してまいりたいと考えております。

 貴協会が、森林資源の有効活用、付加価値の向上に資するための木材加工技術の普及活動をさらに積極的に展開され、益々ご発展されますことをご祈念申し上げます。