1 試験研究の基本方向

 

(1) 基本目標の設定

 林産試験場が取り組むべき課題については、森林資源の現況、木材需要動向、木材産業等の現況を考え、次の3つの柱を基本的な目標として推進します。

    T.木質材料の需要拡大を図る技術開発

   U.木質資源の有効利用を図る技術開発

  V.木材産業等の体質強化を図る技術開発

(2) 研究の基本方向

 以下に3つの目標ごとに、研究の基本方向を示します。

T.木質材料の需要拡大を図る技術開発

1.木質材料・木質構造物の性能向上技術の開発

 木質材料の強度性能、接着性能、防耐火性能、耐久性能等の向上技術開発、および木造住宅、木質構造物の施工技術の改善、開発など、木質材料や木質構造物の性能を向上させることにより、木材需要を拡大するための研究を行います。

 

資  料  編

☆木質材料・木質構造物の性能向上と規格、法改正への対応
 木質材料の評価は性能を重視する方向に進み、平成
12年には「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の施行など、木質材料、木質構造物は品質の安定性と性能向上が求められています。このため木質材料、木構造物の性能向上に取り組み需要拡大を図る必要があります。

 

2.多様な分野における木材利用技術の開発

 障害者、高齢者等に配慮した健康・福祉関連製品の開発、あたたかさや調湿機能を備えた教育施設用製品の開発、土木・農水畜産用施設等の施工技術および資材の開発、環境に調和したエクステリア製品の開発など、多様な分野での木材利用技術の開発を行います。

 

資  料  編

☆新たな用途拡大への取り組み

 新築住宅着工数の減少、代替材との競争、輸入品の増加等木材需要は厳しい状況にあります。
 木材の需要拡大のためには、これまであまり木材が使用されていない新たな分野で、木材の良さを生かした利用技術の開発
が求められています。

 

3.木質材料への新たな機能性付与技術の開発

 木質材料と異種材料の複合化、物理・化学的処理、その他様々な技術を応用することにより、木質材料に新しい機能を付与する技術開発を行います。

 

資  料  編

☆先端技術を活用した木材・木質材料の機能性向上
 木材は私たちの生活に欠かせない材料ですが、一層の需要拡大のためには新たな機能、高機能を付与する必要があります。そのために異種材料との複合化、物理・化学的処理等による機能性向上のための技術開発を行う必要があります。

 

4.木質材料の性能評価とマニュアルの充実

 道産人工林材の材質評価、新たな規格に対応するための材料性能評価、新たな分野へ利用する木質材料の設計基準の作成、保守管理技術の開発等マニュアルの充実を図るための研究を行います。

 

資  料  編

☆人工林材の有効利用とマニュアルの充実
 道内の森林資源は、優良天然林資源が減少する一方で、カラマツ、トドマツなどの人工林資源が成熟化しつつあり、質的変化が生じています。この人工林材の有効利用のためには材質、強度などの特性を明らかにする必要があります。
 また、道内で生産される木質材料が、建築用材として使用されるためにはJAS、JISなどの規格、建築基準法等の改正に適合するための性能評価や、保守管理技術のマニュアルを整え、木材需要の拡大を図る必要があります。

カラマツ製材の建築用製材の使用量の増加目標(北海道森林づくり基本計画)